すごいうちの姉

人間1回目

「長女はしっかりもの」という世の中の一般的な定説を知ったのは、高校生の頃だった。私には3つ上の姉がいる。昔から、私の方がお姉ちゃんみたいねって言われながら育ったものだから、私もそんな気になっていた。私の中では長女はしっかりさんではなかったのだ。

運良く伴侶に恵まれた姉は30代ももう半ばだが、未だに料理はできないし、掃除もできない、貯金もできない。アルバイトをしながら、韓流歌手に浪費する毎日…。気分屋で突然不機嫌になったり、甘えてみたり…。こう書き連ねてみてもひどいものだ。

「自分ができないこと」についてと姉と話していたとき
「私は今世で人間1回目だから、仕方ないんだよ」
と言った。

人間1回目!?私は、絶句、驚愕、そして尊敬の念すら覚えた。やはり、姉は長女だった。そんな人生を達観した考え方で生きてこられたのだ!できないのは自分のせいではないのだ!性格や環境云々でもないのだ!前世では、人間ではない何かで、今世で初めての人間なのだから人として未熟なのは仕方ないというのだ!

こんな風に考えられたら、世知辛い世の中も生きやすいだろう。さすがは「姉」だ。私の方が前を歩いているような気がしていたが、大きな勘違いだった。姉は私の遥か彼方先にいた…・私は一生「妹」として、姉を追っていくのだ…。お姉ちゃんこれからもヨロシク。